この記事は、会社員・フリーランス・マイクロ法人(一人社長)で年収1,000万円を稼いだ場合に、手残りがいくらになるかを比較した記事です。
前回の記事で、年収500万円を稼いだ場合に手残りがいくらになるかの比較をいたしましたが、結果は数千円レベルの違いしかありませんでした!
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しかし、これではあまりに夢のない話だと思い、今回は1,000万円で比較をしてみました。
結論から申し上げますと、1,000万円でも大して変わりませんでした!
ただ、経費や税金などについて考えるヒントが豊富な記事になったと思います。
是非ともご覧ください。
比較の前提
今回も比較の前提から始めます。
この記事では、
- 年収:1,000.8万円/年(83.4万円/月)
- 家賃:15万円/月
- 水道光熱費:0.8万円/月
- 通信費:0.8万円/月
- 交際費:2万円/月
- 書籍代:1万円/月
- 健康診断代:1.2万円/年
- 自動車車両代:60万円/年
- 駐車場代:1万円/月
- 自動車保険料:3万円/年
- 40歳以上の人が加入する介護保険料に加入している
という人を考えます。※太字は前回の500万円の人と違う部分です。
首都圏で車を持っている40代男性(奥様、小さな子供2人)のイメージです。
家賃や自動車代、交際費などが贅沢になっているほか、40代なので介護保険料の負担も追加されています。
経費と関係ない出費(日常の食費、日用品代、衣服費等)については考慮していません。それらは「手残り」からの出費となります。
また、前回に引き続き比較のために三者とも1,000万円としています。
会社員の場合
まずは会社員です。こちらになりました。
プラスの項目 | マイナスの項目 | 備考 | |
月収 | 834,000 | ||
社会保険料合計 | 120,083 | ||
所得税 | 61,592 | ||
住民税 | 49,225 | ||
小計(手取り) | 603,100 | ||
家賃 | 120,000 | ||
水道光熱費 | 8,000 | ||
通信費 | 8,000 | ||
交際費 | 20,000 | ||
書籍代 | 10,000 | ||
健康診断代 | 0 | 会社負担の為0円 | |
自動車車両代 | 50,000 | 600,000円÷12ヶ月 | |
駐車場代 | 10,000 | ||
自動車保険料 | 2,500 | 30,000円÷12ヶ月 | |
手残り | 374,600 |
給料の手取りは60万3,100円で、そこから家賃をはじめ様々な費用を引いた手残りが37万4,600円です。
ここから、個人の食費、衣服代、日用品代などがかかって、残りが可処分所得(貯蓄・贅沢品等への支出)になります。
フリーランスの場合
続いてフリーランスの場合です。
プラスの項目 | マイナスの項目 | 備考 | |
売上 | 834,000 | ||
家賃(経費分) | 60,000 | 4割を経費計上 | |
水道光熱費(経費分) | 2,400 | 3割を経費計上 | |
通信費(経費分) | 4,000 | 5割を経費計上 | |
交際費 | 20,000 | 全額経費計上 | |
書籍代 | 10,000 | 全額経費計上 | |
国民年金 | 16,315 | 1年前納 | |
国民健康保険料 | 64,167 | ||
所得税 | 75,417 | ||
住民税 | 55,583 | ||
小計(手取り) | 526,118 | ||
家賃(個人負担分) | 90,000 | 6割個人負担 | |
水道光熱費(個人負担分) | 5,600 | 7割個人負担 | |
通信費(個人負担分) | 4,000 | 5割個人負担 | |
自動車車両代 | 50,000 | 600,000円÷12ヶ月 | |
駐車場代 | 10,000 | ||
自動車保険料 | 2,500 | 30,000円÷12ヶ月 | |
健康診断代 | 1,000 | 12,000円÷12ヶ月 | |
手残り | 363,018 |
※扶養は奥様1人38万円で計算しています。
※児童手当は対象外です。
※奥様とお子様の健康保険と年金は考慮していません。
なんと、手残りは36万3,018円で、サラリーマンよりもちょっと少ないです。
今回は、経費があまり出ない事業なのでちょっと少なくなった模様です。
経費を増やす例としては、、、
- 仕事でしか利用しないPCの新調であれば、全額経費に計上できます。
- えもんだ社長のようにブログを開設すれば、サーバー代や記事にするために購入した物品の一部を経費計上できます。
- もし自動車での移動が多い事業であれば、一部経費計上は可能です。
- 奥様に仕事を手伝ってもらって、奥様を雇用すれば、さらなる節税は可能かと思います。
これらを全て活用すれば、サラリーマンを逆転するかと思います。
しかしながら、今回は売上が1,000万円を超えたので、2年後に消費税を支払う必要も出てきます・・・。
総評としては、今回のようにそこまで経費の掛からない事業であれば、サラリーマンに比べて大きな利点まではなさそうです。
マイクロ法人の場合
続いて、マイクロ法人の場合です。
法人の場合には社長の給料(役員報酬)は年度の初めに1年分を決めないといけません。
今回は、売上83.4万円に対して、給料は51.5万円で計算してみます。
法人の表 | |||
プラスの項目 | マイナスの項目 | 備考 | |
売上 | 834,000 | ||
家賃(経費分) | 135,000 | 9割を経費計上 | |
水道光熱費(経費分) | 0 | 経費計上ナシ | |
通信費(経費分) | 0 | 経費計上ナシ | |
交際費 | 20,000 | 全額経費計上 | |
書籍代 | 10,000 | ||
健康診断代 | 1,000 | 12,000円÷12ヶ月 | |
自動車車両代 | 50,000 | 600,000円÷12ヶ月 | |
駐車場代 | 10,000 | ||
自動車保険料 | 2,500 | 30,000円÷12ヶ月 | |
社会保険料(会社負担) | 74,850 | ||
法人税 | 5,833 | 均等割り70,000円÷12ヶ月 | |
社長の給料 | 515,000 | ||
小計(法人に残る税引き前金額) | 9,817 |
社長個人の表 | |||
給料 | 515,000 | ||
社会保険料(個人負担) | 74,850 | ||
所得税 | 15,142 | ||
住民税 | 24,208 | ||
家賃(個人負担分) | 15,000 | 1割個人負担 | |
水道光熱費(個人負担分) | 8,000 | 全額個人負担 | |
通信費(個人負担分) | 8,000 | 全額個人負担 | |
手残り | 369,800 |
手残りは、36万9,800円でした!
サラリーマンと大して変わりません!!
ただ、会社に残る金額(9,817円/月、年間12万円弱)は、事業に関係ある出費であれば使ってもいい金額です。
しかしそれを足しても大した違いにはなりません。
まとめ
今回は1,000万円で比較してみましたが、
- 会社員:37万4,600円
- フリーランス:36万3,018円
- マイクロ法人:36万9,800円(+会社のお金1万円弱)
と、前回の500万円の場合と同様どれも大して変わらない結果になりました。
繰り返しになりますが、IT業界に関していえば会社員から常駐型フリーランスになった場合には、給料が一気にアップします。
そして、(会社員以外は)事業内容などを精査すればもっと節税できると思います。
それらを含めても、前回と同じく「売上アップを見込めない限りは安易にフリーランスやマイクロ法人に飛びつくのはやめておこう」という結論になりました。
こちらの記事がお読みのあなたのご参考になれば幸いです。
それでは (*゚▽゚)ノ