資産形成

【マイクロ法人+インデックス投資】FIRE達成方法

この記事では、

  • フリーランスエンジニアなどの個人事業主が
  • マイクロ法人を設立し
  • インデックス投資で
  • FIREを達成する方法

を記載します。

前回の記事と前々回の記事で、マイクロ法人と高配当株を使った資産形成とサイドFIREの方法を記載しました。

今回の記事では、マイクロ法人とインデックス投資を使った資産形成とFIRE方法を記載します。

蓄財に有利なマイクロ法人を活用する、という点は共通していて、インデックス投資を使った場合にどのように資産形成が進んでいくかを記載します。

今回も、主な対象はフリーランスエンジニアなどの年間粗利600万円~1,000万円くらいの個人事業主を想定しています。

是非ともご覧ください。

【当シリーズ】

執筆者のえもんだ社長は、エンジニア歴8年程のフリーランスエンジニアで、マイクロ法人の社長をしている者です。
ご興味あれば自己紹介の記事をご覧ください。
本記事は、自力での法人決算3期の経験や諸々の調査の上で執筆していますが、税金の専門家による記事ではありません
マイクロ法人スキームについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧下ださい。

目標(FIRE・サイドFIRE)の定義

この記事で達成するFIREの定義は、

  • 生活費の25年分の資産を形成する

です。

人によって生活費は異なりますが、このシュミレーションでは年間の消費額は300万円としてあります。

つまり、

  • 300万円 × 25年 = 7,500万円

でFIRE達成とし、その半額の3,750万円でサイドFIRE達成としてシュミレーションします。

インデックス投資とは

タイトルにあるインデックス投資とは、インデックスファンドを購入することです。

それでは、インデックスファンドが何かというと、、、

金融商品の一つで、ある指標(インデックス)と同じ値動きをするように運用される金融商品を指します。

資産運用会社は株や債券などの様々な金融商品を大量に売買し運用しますが、ある指標に連動して金融商品を売買することにより、その指標と同じ値動きを実現します。

例えば、三菱UFJ国際投信が販売している「eMAXIS Slim S&P 500」というインデックスファンドがあります。

このインデックスファンドは「S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス」というアメリカの会社が発表している、アメリカの優良企業500社の株式の指標である「S&P500」という指標と連動させたインデックスファンドです。

三菱UFJ国際投信は、この指標に合わせて株を売買し、その成績と連動して価値や配当が変わる「eMAXIS Slim S&P 500」というインデックスファンドを販売しており、我々一般人は証券口座を開設してそのインデックスファンドを購入するわけです。

この記事で購入するインデックスファンド

この記事で紹介する投資商品は

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

にします。

こちらも上述の三菱UFJ国際投信が提供するインデックスファンドで、米国のMCSI社が発表している「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」という指標と連動させたインデックスファンドです。

こちらの指標は、各国市場の時価総額上位約85%を占める指標なので、大雑把に言って全世界の優良企業を丸ごと購入できるような投資商品になります。

当然、ひとつの国が不景気になってもファンド全体の価値が大きく下がるようなことはありません。

また、これまでの歴史ではITバブル崩壊やリーマンショック等を経ても、10年程経てば暴落前の株価を回復しています。

引用元:保険企画サポート24 様

S&P500等のインデックスファンドも上記のような動きをしますが、より安全性の高い堅実な投資先が好ましいので、この記事ではこちらの全世界株式のインデックスファンドでシュミレーションします。

なお、この「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の2002年~2021年の平均利回りは、年利7.63%でした。

シュミレーションの条件

今回のシュミレーションの条件を記載します。

簡単に言うと、家賃は法人から経費で支払い、その他生活費は手取り12万円でやりくりし、残りを全額インデックスファンドに投資する、というスタイルです。

詳細を以下箇条書きします。少々マニアックすぎるので、苦手な人はざっと斜め読みで十分です。

  • 個人事業を法人化する。
  • 売上は、600万円、800万円、999万円のケースを想定する。(消費税免除業者)
  • 役員報酬(給料)は月15万円(年間180万円)とする。(手取り額は月12万円程度)
  • 利回りは、年利7.63%と想定する。(2002年~2021年の平均)
  • 家賃は月8万円(年間96万円)で、法人から経費で支払い個人の給料からは支払わない
  • 社会保険料は令和3年3月の東京都で、40歳未満の金額で計算する。
  • 法人税均等割は年間7万円。
  • 税理士顧問料は年間20万円とする。
  • 法人税実効税率は、400万円以下の利益は21%、400万円以上800万円以下の利益は23%で計算する。
  • 残った金額は全て全世界株に投資する

独身・既婚、お子様がいる・いない、元々持っている資産が多い・少ない、など人それぞれ経済状況に違いがありますが、今回もそのような細かい条件は考慮していません。

ひとつのモデルケースとして参考にしてもらえればと思っています。

個人事業主の法人化には、「経費計上できる項目が多くなる」「(中小企業は)法人税が安い」などのメリットがあります。
詳細については前々回の記事の目次から〔法人化による税制の活用〕の項目をクリックしてご覧ください。

売上600万円のケース

まずは売上600万円のケースです。

売上の分配と積立金額は以下の通りになります。

この記事で用いる表では、金額の単位は万円0.01の位(百円の位)を四捨五入しています。
売上 600
役員報酬(支給額) ▲180
社会保険料
(法人負担分)
▲25
家賃 ▲96
税理士代 ▲20
法人税(実効) ▲59
法人税均等割 ▲7
投資額 213

このケースのように、投資額が毎年213万円で利回りが7.63%の場合、資産の推移は以下の通りになります。

年次 累計投資額 利回り金額
(単年)
利回り金額
(累計)
総資産額
1年目 213 0.0 0.0 213.0
2年目 426 16.3 16.3 442.3
3年目 639 33.7 50.0 689.0
4年目 852 52.6 102.6 954.6
5年目 1065 72.8 175.4 1240.4
6年目 1278 94.6 270.0 1548.0
7年目 1491 118.1 388.2 1879.2
8年目 1704 143.4 531.5 2235.5
9年目 1917 170.6 702.1 2619.1
10年目 2130 199.8 901.9 3031.9
11年目 2343 231.3 1133.3 3476.3
12年目 2556 265.2 1398.5 3954.5
13年目 2769 301.7 1700.3 4469.3
14年目 2982 341.0 2041.3 5023.3
15年目 3195 383.3 2424.5 5619.5
16年目 3408 428.8 2853.3 6261.3
17年目 3621 477.7 3331.0 6952.0
18年目 3834 530.4 3861.5 7695.5
19年目 4047 587.2 4448.6 8495.6
20年目 4260 648.2 5096.9 9356.9

この積立投資方法だと、12年目でサイドFIREの金額である3,763万円を超え、18年目でFIREの金額である7,525万円を超えました!

売上800万円のケース

続いて売上800万円のケースです。

売上の分配と積立金額は以下の通りです。

売上 800
役員報酬(支給額) ▲180
社会保険料
(法人負担分)
▲25
家賃 ▲96
税理士代 ▲20
法人税(実効) ▲102
法人税均等割 ▲7
投資額 370

そして、投資額370万円を年利7.36%で積み立てた場合の資産の推移は以下の通りです。

年次 累計投資額 利回り金額
(単年)
利回り金額
(累計)
総資産額
1年目 370 0.0 0.0 370.0
2年目 740 28.2 28.2 768.2
3年目 1110 58.6 86.8 1196.8
4年目 1480 91.3 178.2 1658.2
5年目 1850 126.5 304.7 2154.7
6年目 2220 164.4 469.1 2689.1
7年目 2590 205.2 674.3 3264.3
8年目 2960 249.1 923.3 3883.3
9年目 3330 296.3 1219.6 4549.6
10年目 3700 347.1 1566.8 5266.8
11年目 4070 401.9 1968.6 6038.6
12年目 4440 460.7 2429.4 6869.4
13年目 4810 524.1 2953.5 7763.5
14年目 5180 592.4 3545.8 8725.8
15年目 5550 665.8 4211.6 9761.6
16年目 5920 744.8 4956.4 10876.4
17年目 6290 829.9 5786.3 12076.3
18年目 6660 921.4 6707.7 13367.7
19年目 7030 1020.0 7727.7 14757.7
20年目 7400 1126.0 8853.7 16253.7

8年目でサイドFIRE(総資産3,763万円)達成し、13年目でFIRE(総資産 7,525万円)を達成しました!

そして、その調子で20年間続けた場合には、1億6,253万円もの資産を築ける事になります。

売上999万円のケース

最後は売上999万円のケースです。

投資額は以下のようになります。

売上 999
役員報酬(支給額) ▲180
社会保険料
(法人負担分)
▲25
家賃 ▲96
税理士代 ▲20
法人税(実効) ▲148
法人税均等割 ▲7
投資額 523

この毎年523万円を全世界株に投資した場合の資産の推移は以下になります。

年次 累計投資額 利回り金額
(単年)
利回り金額
(累計)
総資産額
1年目 523 0.0 0.0 523.0
2年目 1046 39.9 39.9 1085.9
3年目 1569 82.9 122.8 1691.8
4年目 2092 129.1 251.8 2343.8
5年目 2615 178.8 430.7 3045.7
6年目 3138 232.4 663.1 3801.1
7年目 3661 290.0 953.1 4614.1
8年目 4184 352.1 1305.1 5489.1
9年目 4707 418.8 1724.0 6431.0
10年目 5230 490.7 2214.6 7444.6
11年目 5753 568.0 2782.7 8535.7
12年目 6276 651.3 3433.9 9709.9
13年目 6799 740.9 4174.8 10973.8
14年目 7322 837.3 5012.1 12334.1
15年目 7845 941.1 5953.2 13798.2
16年目 8368 1052.8 7006.0 15374.0
17年目 8891 1173.0 8179.0 17070.0
18年目 9414 1302.4 9481.5 18895.5
19年目 9937 1441.7 10923.2 20860.2
20年目 10460 1591.6 12514.8 22974.8

サイドFIRE(総資産3,763万円)は6年目で達成し、FIRE(総資産 7,525万円)は11年目に達成です。

その後も資産の伸びは急カーブで、20年目には2億2,974万円もの資産になってしまいます・・・。

この手法の注意点

この手法にも注意点はあります。

以下記載していきます。

インデックス投資は出口戦略が難しい

インデックス投資は、投資を終了させ日常生活で使える現金に換えることが難しいです。

1億円の株を持ってるとして、それを現金化するときに、どのように取り崩していくかという問題があります。

一気に現金化したいところですが、そうするとその後の株価上昇の恩恵が受けられません。(前述の通り、株価は基本的には上がるものです)

よって、少しずつ取り崩す必要があります。

また、全世界株は為替の影響によって価値が下がる可能性があります。

奇しくも2022年5月上旬の為替は、1ドル=131円台という20年ぶりの円安なので、円で生活費を支払う分には有利です。しかし、いつ円高が起こるかは分かりません。

そのような事情もあり、インデックス投資の資産形成は、取り崩すときの出口戦略で頭を使う必要があります。

インデックス資産の取り崩しには、4%ルールという方法があります。
これは資産を毎年4%ずつ取り崩していくと、株価の上昇分と相殺され資産総額が減らずにキャッシュフローを得ることが出来る、という方法です。
しかし、この方法も理論上は有力であっても、実際にこの方法でFIRE後に計画通りの生活をできているケースは、いまだ少ないのが実情です。

キャッシュフローは改善しない

上記の通り、インデックス投資では現金化するための出口戦略を工夫する必要がります。

これはつまり、投資をする過程で現金(配当金)はほとんど得られない、ということを意味します。

特に、今回のシュミレーションで用いた「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」はファンドの内部で株式配当を再投資するタイプの商品ですので、配当金は0円です。

前回・前々回の記事で紹介した高配当株投資では、投資すれば翌年に配当金が貰えるので、どんどんキャッシュフローが改善しました。

しかし、インデックス投資では資産を取り崩すタイミング以外では現金(キャッシュ)は入りませんので、注意しましょう。

現金化のタイミングで税金が発生する

中小企業の法人税は、年800万円までの利益にかかる税金は少ないです。

しかし、株を売って現金化する際には、儲かった分の法人税を支払うことになります。

例えば、売上800万円のケースの10年目には、1567万円の含み益がある想定ですが、すべてを一気に現金化する場合には、この1567万円が課税対象になります

尚、1567万円の含み益を出した年に、役員報酬(自分の給料)を1567万円にすれば、法人税はかかりません

しかし、役員報酬には個人の社会保険料と所得税と住民税が課税されます

これもまた出口戦略を難しくしている要因です。

株価の暴落に弱い

再び全世界株の30年チャートに登場してもらいます。

引用元:保険企画サポート24 様

ご覧いただくとわかりますが、2個の大きな谷と、無数の小さな谷があります。

特に大きな谷は回復までに8年程かかるケースもありました。

株価の暴落に遭遇した場合は、回復するまで待つ以外の対処法は原則ありません。

当然ですが、資産形成が終わって取り崩しに入ろうかと思ったタイミングで、このような暴落に見舞われたら、大きな計画変更を余儀なくされます。

こちらもリスクとして考慮する必要があります。

マイクロ法人のデメリット

マイクロ法人にもデメリットがあります。

  • 売上が1,000万円を超えると消費税の納税義務が発生する
  • 税理士顧問料と法人税均等割が発生するため、ある程度の売上が無いとメリットを相殺してしまう

などです。

詳細を知りたい方は、前回の記事の目次から〔この方法の注意点〕の項目をご覧ください。

まとめ

今回はインデックス投資での資産形成について記載しました。

やはり、高配当株投資に比べて資産形成のスピードは圧倒的に早く、到達額もかなりの額になります。

しかし、暴落や出口戦略などでコケる可能性が若干高めで、工夫する必要があります。

今回記事にした正直な感想としては

  • 考慮事項が多い上級者向けの資産形成方法

です。

個人的には、やはり前回、前々回の記事で紹介した高配当株の方が取り組みやすいかな、と思いました。

【当シリーズ】

この記事がお読みの皆様の資産形成のお役に立てれば幸いです。

それでは (*゚▽゚)ノ

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