この記事では、消費税がどういう税制で、なぜ庶民の生活が苦しくなるのかを端的に解説します。
執筆者の「えもんだ社長」は、派遣などを経て30歳でエンジニアになり、現在はフリーランスエンジニアをしている者です。
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目次
逆進性があります
累進性と逆進性
逆進性について解説するまえに、累進性と逆進性について解説します。
- 累進性:収入が増えるほど税負担の割合が増えること。
- 逆進性:収入が増えるほど税負担の割合が減ること。
です。
例えば、所得税には累進性があり、以下の図のように収入が増えると支払う税金の割合が増えます。

その年に稼いだ金額のうち、195万円までは5%を納税、195万円を超えて330万円以下の部分は10%を納税、というふうに税負担の割合が増えていきます。
画像では、紺色の部分が所得税で、水色の部分が税引き後の収入になります。
【収入と課税所得と控除について】
厳密にいうと、収入から色々なモノを控除(マイナス)して、残った金額を課税所得といいます。
収入 - 控除 = 課税所得
そして、その課税所得に対して上記の所得税が計算され、納税することになります。
しかし、課税所得はこの記事では本題ではないので割愛します。
このように、
- 沢山稼いだ人は多くの割合を納税する
- あまり稼げなかった人は少ない割合を納税する
という累進性のある税制が所得税です。
こういう税制だからこそ、沢山稼いだ人やお金持ちに対する尊敬の念も芽生えてきます。
しかし、消費税には反対の逆進性があります。
逆進性とは、その名の通り、
- 沢山稼いだ人が少額しか納税しない
という制度です。
逆進性は「逆累進性」ともいいます。
消費税の逆進性と格差拡大
消費税には逆進性があります。
理由は、
- 消費税は、生活用品など消費されるモノに課税される税金
- 消費税は、貯蓄や投資など消費されないモノには課税されない税金
だからです。
こちらは総務省「家計調査報告(家計収支編)2017年」をもとに試算した表です。

※画像は「貯蓄美人になれるお金の習慣」様から引用させていただきました。
消費税8%と10%を合わせると、大雑把に言って
- 年収238万円以下の人の実質税負担は8.0%(19万円)ほど。
- 年収727万円以上の人の実質税負担は3.5%(25.4万円)ほど。
というデータがあります。このように収入が多い人が少ない割合しか納税しないことを逆進性といいます。
さらに、近年株式投資などが流行っていますが、株式投資は消費ではないので消費税は課税されません。
株式を買った時はもちろん、株式で利益を上げた時にも利益確定したときにも消費税は課税されません。
ということで、
【生活に余裕がある人(お金持ち)】
- 消費税の影響は収入の一部(上図の右下の3.9%)
- 余ったお金を投資する。(投資には消費税はかからない)
- よりお金持ちになる。
という一方で、
【生活に余裕がない人(庶民)】
- 消費税が生活に直撃(上図右上の8.7%)
- お金が余らず貯蓄や投資が出来ない。
- より貧しくなる。
ということになります。
このように、逆進性のある税制による結末は、格差の拡大です。
みなさんの給料を下げる効果があります
消費税は、実質的に皆さんの給料を下げます。
こちらも理由は明白で、給料は消費税の控除にならないからです。
この一文だけ読んでも専門家以外は解らないと思うので、まずは消費税について解説します。
解説1:消費税は事業者が納税します
消費税は事業者が納税します。
皆さんが買物したときにレシートには「うち消費税等〇〇円」と記載されていますが、納税しているのは事業者です。
気を付けていただきたいのは、あなたが勤めている会社は、売上から消費税の納付も従業員への給料の支払いも行っている、ということです。
つまりは、消費税をたくさん納付すると従業員へ給料を支払う余裕がなくなる、ということです。
ちなみに、法人税は給料を支払った後に余ったお金にしか課税されません。
しかし、消費税ではちょっと事情が異なってきます。
解説2:消費税は(支払った消費税)-(受け取った消費税)で計算されます
消費税は、支払った消費税から受け取った消費税を引いた額を納税します。
550万円で仕入れや備品の購入などを行った場合は、支払った消費税は50万円です。
1,100万円売り上げた場合の受け取った消費税は100万円です。
差引50万円を納税することになります。
しかし、従業員に支払う給料には消費税がありません。
例えば、550万円の給料を支払った場合でも、支払った消費税は0円です。
そして、1,100万円売り上げた場合の消費税分100万円を丸々納税することになります。
表にしました。
| 収支 | 消費税 | |
| 売上 | +1,100万円 | 受け取った消費税: 100万円 |
| 商品の仕入 | -550万円 | 支払った消費税: 50万円 |
| 消費税の納税 | -50万円 | - |
| 会社の手残り | +500万円 | - |
| 収支 | 消費税分 | |
| 売上 | +1,100万円 | 受け取った消費税: 100万円 |
| 給料の支払い | -550万円 | 支払った消費税: 0円 |
| 消費税の納税 | -100万円 | - |
| 会社の手残り | +450万円 | - |
消費税により給料が下がる理由
上記により、ほぼお判りいただけたかと思います。
- 給料などは「消費税不課税」という支出に分類される
- 不課税支出はいくら払っても消費税の控除が出来ない
- 税負担が減らない不課税支出に高額を費やすことは困難
ということです。
例えば、車を買ったり、コンサルタントに業務委託したり、派遣社員を雇うと、消費税の控除が出来て納税額を減らせます。
しかし、自社の従業員に給料を支払っても、消費税の控除は出来ない(消費税不課税)ので納税額を減らせないのです。
この消費税不課税というルールにより、事業者としては給料を上げることが困難になっています。
国税庁 - No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例
ちなみに、人材派遣料は消費税の控除対象です。
つまりは、同じ金額であれば正社員に給料を払うより派遣社員に派遣料を払う方が税金が安い(会社の利益が増える)のです。
消費税により有利に事業展開が出来るのは、派遣料を受け取る人材派遣業者です。
・人材派遣業で儲けているのは誰でしょうか?
・消費税を推進しているのは誰でしょうか?
聡明な方であればお判りいただけると思います。
輸出品を免税品として扱っているので輸出企業が還付を受けています
輸出品は「免税取引」という扱いになります。
海外で販売された商品には日本の消費税が課税されないから、という理由だそうです。
これによって、国内で製造して輸出する企業(主に大企業)が還付を受けています。
輸出売上100億円、課税仕入れ55億円の企業があると仮定すると、
| 収支 | 消費税 | |
| 輸出売上 | +100億円 | 受け取った消費税 0円(免税) |
| 課税仕入 | -55億円 | 支払った消費税 5億円 |
| 消費税 | +5億円 | (還付金) |
| 手残り | +50億円 |
となります。
この+5億円の還付金はどこから出ているか?というと、この輸出企業に販売した企業(主に中小企業)が納付した消費税です。
もし仮に消費税が
「消費者が支払っている10%は預っているお金」
「事業者は消費者から預かっているお金を納付している」
(いわゆる『消費税は預り金』という理論)
であるならば、
- 輸出業者に販売した企業は売り上げた際に預かった10%の消費税を納税しているだけ。
- 海外販売しているモノには日本の消費税は課税されていない。
- 仕入の際に10%多く支払った消費税は還付されるべき。
という考え方も出来ます。
しかし、平成二年の東京地裁の判決で「消費税は商品の値段の一部でしかない」と明言されました。
よって、実質は
- 中小企業の売上から納付された消費税を大企業が受け取っている。
です。
消費税は預り金と主張する人も居ますが、上述の通り平成二年の東京地裁の判決で、
『消費者が事業者に対して支払う消費税分はあくまで商品や役務の提供に対する対価の一部としての性格しか有しない』
と明言されました。
この判決は控訴も上告もされずに確定されたそうです。
少々調べた限りでは、その後消費税の性質に関する裁判は見つかりませんでした。
大企業に還付された消費税は誰のモノになる?
大企業に還付された消費税はどこに行くかご存じでしょうか?
結論からいえば、その大半は株主配当として大金持ちの懐に入ることになります。
逆進性により庶民から多くのお金を取り、それが大金持ちの懐に行く、、、
消費税はそういう性質の税制です。
VAT(value-added tax_付加価値税)
現在の日本国で課税される消費税は、国際的には「VAT(付加価値税)」と言われている税制です。
例えば、アメリカのSalesTaxは、小売店での購入時にのみ課税され、製造業者や卸売業者には一切課税されません。
これは1953年にフランスで最初に導入された税制で、一言で言うと輸出業者への補助金です。
当時ヨーロッパの各国政府間で、輸出補助金を禁止する協定がありました。(特定の国だけ輸出が有利になることを防ぐため)
しかし、頭の良いフランスの政治家は、「消費に対する課税です」と説明し、輸出補助金であることを隠して、この付加価値税を導入しました。
日本では、1988年12月に総理大臣:竹下登(自由民主党)の元で消費税法が成立し、翌年4月から消費税が施行されました。
実態を理解させないために「消費税」という名前で、あたかも消費者に対する課税であるかのように輸出補助金を導入しました。
その後、消費税率は導入時の3%から、5%、8%、10%と増税され、一度も減税されたことはありません。
まとめ
今回の記事を要約すると、以下の通りです。
- 消費税には逆進性がある
収入の低い人ほど高い割合の負担をすることになります。
- 消費税には不課税支出(主に給料)を下げる効果がある
事業者は給料を上げづらくなり、人材派遣料などにお金を使いやすくなります。
- 実質的に輸出補助金であるため、輸出している大企業が還付を受けている
消費税の性質や担税者についての議論はあれど、結果的に中小企業が消費税を納付し、大企業が還付を受けています。
すでにお分かりかと思いますが、わたくしはこんな低所得者いじめのような消費税は、即刻廃止するべきだと思っています。
弱きを助け強きを挫く、これこそが日本人が考える美徳であると思っています。
消費税廃止に向けて、選挙には必ず行き消費税廃止を明言している候補に投票しましょう!
この記事がお読みの皆様の生活向上に少しでも役立てれば幸いです。
それでは (=゚ω゚)ノ

