この記事では、40代でのエンジニアへの転職の是非について記載します。
結論から書きますと、40代でのエンジニアへの転職はアリです。
特に転職が当たり前になっている昨今では、多少年齢が高くても採用までのハードルは高くないと思います。
当然条件はありますが、40代でも良い転職を出来る可能性は十分あります!
以下、詳細を記載いたします。
目次
エンジニアに必要な能力
まずは、そもそもエンジニアに必要な能力は何かを記載します。
これらの観点からご自身が40代までに身に付けた能力を冷静に分析し、エンジニアとしてすぐに通用するのか、伸ばした方が良い能力はどこなのか、考えてみましょう。
これらの能力をある程度身に付ければ、40代転職も十分可能だと思います。
コミュニケーション能力
まず大事なのはコミュニケーション能力です。
ツイッターなどで「エンジニアに一番必要な言語は日本語である」というネタをよく見ます。半分は冗談ですが半分は真理を突いていると思います。
コミュニケーション能力とは何だろう?と思う方も多いと思います。
実は答えは簡単で、一言で言うとまともな人です。
具体的には、
- ちゃんと人の話を聞いて
- 挨拶が出来て
- 無理なことや非常識なことを言わず
- 話がかみ合い
- 身だしなみがキチンとしていて
- 人を不快にさせない
こんな特徴を備えている人です。
当たり前のことのように思いますが、IT業界には何故かこれらの特徴を満たしていない人の比率が多いように思います。
そもそも、(IT業界に限らず)ちゃんとした事業を行っている企業は、一緒に働く仲間を増やしてより大きな業績を出したいと思っているケースが多いです。
大抵の会社では、まともな人の入社は大歓迎です。
書類選考や面接をしている理由を端的に言うと、変な人や足を引っ張ってくる人の入社を防ぎたいのです。
ということで、まともな人であればまずは第一関門クリアです!
努力する能力
続いて大切なのは、努力する能力です。
やはり、ある程度仕事をちゃんとするには自己研鑽が必須です。
IT業界では、一般的にそこまで手厚い教育はありません。
「弊社では手厚い教育を行っております」なんて求人広告を見ることはよくありますが、あまり期待しない方が良いと思います。
色々な現場に行ったことがありますが、ちゃんとした教育をしてくれる現場はほとんどありませんでした。
これは企業や担当者が意地悪なわけではなく、ちゃんとしたITの教育をするというのはとても大変だからです。
正直、実際に現場で実務をこなしながら、後輩の教育もちゃんとやることは結構難しいです。
ということで、自分で努力して能力を身に付けることはとても重要です。
執筆者のえもんだ社長が従事するネットワークエンジニア業では、2~3年くらい真面目にスキルを磨けば、多くの現場でついていけるレベルになると思います。
当然、ちゃんと時間と体力を確保した上で取り組む必要はありますが、これが出来る人ならば年齢関係なくIT業界で通用すると思います。
仕事を最後までやり抜く姿勢
仕事を最後までやり抜く、ということも大事です。
誰かのフォローが必須という人材には、当然その分人手がとられてしまいます。
仕事を最後までやり抜く人には仕事を丸投げできるので、経営者や管理者から見て楽の出来る頼もしい人材です。
当然、色々な企業から欲しがられる人材です。
また、わたくしの経験上一番能力が向上した経験は実務でした。
資格の勉強も大事でしたが、感覚的には踏み台のようなものです。高いところに到達するためのジャンプは実務でした。
実務で直面した困難を解決している時に一番能力が上がりました。
出来れば人のせいにしたり言い訳したりする逃げ道が全くない状態で、最後までやり抜くことをお勧めします。(人の手を借りるのはOKです)
裁量と責任があって、自身の力でやり遂げないといけない仕事に従事できれば必ず成長します。
想像できるかと思いますが、逃げたり人のせいにしたりする人は大抵成長が遅いです。
あまり人のことばかり言えはしないんですが、ともあれ全身で取り組むのが成長の早道なのは間違いありません。
ITの知識
最後に必要な能力は、ITの知識です。
当たり前ですが、ITの知識も役に立ちます。
PM業務などでITの知識があまりなくても通用している人を見ることもありますが、やはりITの知識はあったほうが断然有利です。
ITの知識を示す一番簡単な方法は、資格の取得です。
特に40代でIT未経験の方は、経歴でIT知識を示すことはできませんので、資格でアピールすることは必須だと思います。
前述の努力する能力を示すことにもなります。
ネットワークエンジニアであれば、最初はCCNAという資格がおすすめです。
また、もし前職で難しい資格を取得したという経歴があれば、書類選考でより有利になりますので、自信を持って書きましょう。
他業種経験をIT業務に生かす
40代で転職をする方には、当然それまでの業務経験があります。
別業種での業務経験は内容によっては強力なアピールポイントになります。
わたくしもコールセンターで業務経験がありますが、その経験はエンジニア業務でとても役に立っています。
エンジニアをやっていると何かとクレームを受けることは多いのですが、コールセンターのクレームに比べればどれも大したことはありませんw
クレーム対応はあまり楽しい経験ではありませんでしたが、怒っている人への対応は人一倍得意です。
わたくしの場合はちょっと特殊かもしれませんが、営業、販売、接客、経理、法律などの経験は明らかにIT業でも活かせます。
わたくしの知らない他の業務でも、エンジニア業務で活かせる経験は沢山あると思います。
もし「〇〇なら任せてください!」と言えるような経験があるのであれば、雇う立場の人にとってはとても心強いです。
積極的にアピールしましょう。
エンジニアは人手不足
現在のIT業界は、人手不足です。
IT業界は成立から今日に至るまでほぼ常に人手不足でした。
そして、経済産業省の試算によると、2030年には16万人~79万人の人材が不足する、と言われています。
参考サイト:(経済産業省委託事業)IT人材需給に関する調査
わたくしは未来を予言できるわけではありませんが、個人的にもエンジニアの需要が減っていくとは到底思えません。
また、現場で50代の人を見ることもよくあります。
そういう点を考えると、40代未経験の方にも十分チャンスはあると思います。
労働人口年齢の変化
ご存じの通り、日本では少子化が進んでしまっています。
2020年の新成人は122万人しかいないそうです。
ちなみに、2000年の新成人は164万人で、2010年は125万人だったそうです。
また、2010年の新生児数(2030年に成人)は107万1,306人で、2020年の新生児数(2040年に成人)は 84 万 832 人だったそうです。
まとめると以下になります。
- 2000年新成人:164万人
- 2010年新成人:125万人
- 2020年新成人:122万人
- 2030年新成人:107万人(予想)
- 2040年新成人:84万人(予想)
若い労働者の数はどんどん減っていきます。
さらに、2025年4月から65歳定年が義務化され、今後は70歳定年が義務化されるだろうと言われています。
さらにさらに、日本人の寿命は順調に右肩上がりを続け、現在40歳の人の平均余命(あと何年生きるか)は、男性で42.57歳、女性で48.40歳と言われています。
参考サイト:厚生労働省-令和2年簡易生命表-主な年齢の平均余命
今後70歳定年が義務化されると仮定すると、40歳で転職しても定年まで30年間あることになります。
平均余命を考えると、40歳はまだせいぜい折り返し地点ですので、遅すぎるということはないと思います。
注意点
一番の注意点は、
- 駆け出しでは高給を期待できない
という点です。
どの業界でもそうでしょうが、給料を上げるためには実績を積み重ねることが必須です。
転職自体は十分可能だと思いますが、高給となると更なる努力が必要です。
また、
- 派遣になるケースが多い
という点も注意が必要です。
一般的にIT業界では派遣の方が給料が高いケースが多いので必ずしも悪いとは言えませんが、正社員という身分が無くなる可能性も覚悟しておいた方が良いでしょう。
検索結果
参考までに「求人 40代 エンジニア 未経験」での検索結果は以下の通りです。
実際に転職できるか否かはやってみないと分かりませんが、ただいま(2022年7月18日)見た限りでは十分な求人数がありそうです。
まとめ
今回は、40代での転職について本格的に考えてみました。
感覚的に十分可能だろうと思っていましたが、色々調べても人手不足と労働人口年齢の変化という要因が強力なので十分可能である、という結論になりました。
最初に上げた「エンジニアに必要な能力」さえあれば、40代での転職は十分可能です。
今の仕事がつまらないと思っている方は是非とも挑戦してみましょう。
この記事がお読みの皆様のお役に立てれば幸いです。
それでは (*゚▽゚)ノ