与太話

【マイクロ法人】会社設立に向けてやること

この記事では、起業~1年目にやることを書きます。

執筆者のえもんだ社長は、法人を設立してもうすぐ丸3年になる者です。

常駐型フリーランスエンジニアが、社長一人だけのマイクロ法人を経営しています。

マイクロ法人でも普通の会社と同じようにやらなければいけないことが沢山あります。

大抵の人は設立した後に

こんな大変なこともやるの?聞いてない ( ;∀;)

と思うはずです。(体験談)

この記事では、法人設立において「やらなければならないこと」「やっておいた方がいいこと」を網羅しました。

起業を考えている人には必ず参考になるはずです。

是非ともご覧ください (๑╹ω╹๑ )

会社設立前にやること

まずは、会社設立前にやることを記載します。

会社員などをしている段階で出来ることですので、是非ともやっておきましょう。

事業計画を立てる

第一はこれです!事業計画です!!

「事業計画」というと大げさですが、

  • どのような方法で
  • 自分のどの能力を生かして
  • どんな事業で社会に貢献するか?

これを考えるのが一番最初です。

「社長になって、金持ちになって、高級車に乗って、女を(男を)はべらかすぜ!」

こう思っているうちは、起業する段階ではないと思います。

起業の目的としてお金を考えるのはいいことだと思います。

しかし、やはりどのような事業で社会の維持発展に貢献できるか?という視点は必ず必要になるはずです!

もっと言うと、会社員で出世する人も、自社の事業と社会貢献についてはちゃんとした考えを持っている印象です。

ちなみに、えもんだ社長の場合はネットワークエンジニアリングでした (๑╹ω╹๑ )

正直、成り行きで会社を立ち上げただけ、という面はありましたww

でも、ネットワークエンジニアリングの能力は常に磨いていましたし、社会に貢献しようという意思もありました。

多重下請けと中抜きのせいでエンジニアもユーザーも損をしてる現状にメスを入れたい、という考えもありました。

意思や計画には、微修正や時には大きな変更が必要な場合もあります。

なんとなくで始めたことが上手く行って本格的になることもあると思います。

ただ、「自分の能力と社会への貢献」という点は、日々の生活を通してじっくり考えることをオススメします。

ちゃんと世の中の役に立つ事業であれば、必ず食べていけます。
日々の生活の中で、自分の適性を見つめてどのような事業で世の中に貢献できるかを考えておきましょう。

貯金

事業計画についてある程度明確な考えを持てたら、次は貯金です。

やはり、何をするにも現金は必要です ( ;∀;)

後述しますが、会社を設立すると役所の手続きをすることが多くなりますし、その際には必ず現金が必要になります。

お役所に支払うお金は、株などの資産やクレジットカードの利用枠ではなく現金(日本円)です。

たとえば、会社の設立費用は、、、

  • 株式会社の場合:定款認証の手数料と登録免許税で最低20万円程
  • 合同会社の場合:登録免許税のみで最低6万円程(えもんだ社長は合同会社を設立しました)

が必要になります。

資本金1円で会社を設立することは可能ですが、その他いろいろな手続きで現金が必要になります。

また、生活費を確保することも必要です。

わたくしが最初に常駐型フリーランスを行った際には、月末締めの翌々月20日払いの契約でした ((( ;゚Д゚)))

4月に着任したら、最初の給料(売上)振込は6月20日です。

当然、それまで現金は入ってきません。(えもんだ社長は貯金があったので問題ありませんでした)

サラリーマンを辞める場合には、貯金額の目安は生活費1年分+起業費用50万円くらいだと思います。

そのために、自身の生活費が毎月・毎年いくら必要か、ということは把握しておいた方が良いです。

とにかく、現金はリアルな問題としてかならず直面するので、甘く見ないでおきましょう。

個人も法人も存続するためには絶対に現金が必要です。

クレジットカード作成

これも大事です。

サラリーマンを辞めると金融上の属性はかなり弱くなってしまいます。

クレジットカードがない状態だと、色々なことが不便になり事業にも影響が出るので必ず作っておきましょう。(あらかじめ作っておけば、その後滞納などしなければ問題なく所持できます)

その他にも、大きな買い物ができなくなったり、借り入れが難しくなったりします。気を付けましょう。

金融機関の方々が一番信頼しているのは、所属している会社の給料支払い能力です。

あなたがどれだけしっかりした人でも、金融機関の方々は顧客各人のお金の管理能力だけでは判断しません。

法人を運営して数年連続で黒字を出すまでは、個人としての経済力が高くても金融機関の人には評価してもらえないのです (/ω\)

いざという時の為に、カードの作成や利用枠の拡大などをやっておきましょう。

ちなみに、普段から生活費(個人)や事業収支(法人)を黒字化できる能力があれば、金策での苦労はかなり回避できるはずです。やはり、前述の通り貯金能力が大切です。

会社員を辞めると金融上の属性は最弱になってしまいます。

法人名決定

当然ですが必須です。

地味に悩むことですw(体験談)

堅い名前にすると古臭い感じになってしまいます。

でも、流行りの言葉を並べると胡散臭くなってしまいますww

胡散臭い例)メディアクリエイトアルゴリズムリサーチアンドデベロップメント株式会社

ただ、わたくしの場合は会社名を長くしてしまったのでちょっと大変でした。

法人になると、銀行や役所で手書きする機会がよくあります。

普段文字を手書きしないえもんだ社長は、手書きすると異様に疲れてしまいますw

また、銀行の振込で振込名義人を手打ちすることがありますが、長い文字だと結構大変です。

そして、ATMで振込操作をしている途中、時間切れでやり直しとなったこともあります。これはかなりのストレスでした。

とういことで、特にこだわりが無ければ長い名前は避けたほうが無難です。

また、銀行や役所の窓口では会社名で呼ばれます

恥ずかしい名前はやめておきましょうw

会社名は長すぎない方が無難です。

法人印の作成

これも法人設立に必要です。

法人の実印は丸型じゃないとダメだそうです。

その他、簡易的なもので利用する角印と、銀行に登録する専門の印鑑もあった方が良いです。

えもんだ社長は、結局1万5,000円くらいで実印、銀行員、角印の3点セットを購入しました。

下記のような通販サイトで陰影の文字列を提示すれば、割と簡単に作成できます。

必要な費用になりますので、覚えておきましょう。

印鑑も必ず作成することになるので、出費を覚悟しておきましょう。

登記する住所の決定

法人を登記するには、住所を記載する必要があります。

(ちなみに、代表の個人名と個人住所も登記簿に記載され世の中に公開されます)

後述する役所からの郵便などは、すべてこの登記住所宛てに届きます

もし、賃貸している自宅の住所で登記することを考えている場合には、あとで揉めると良くないので必ず大家さんに許可を取りましょう。

大抵の場合、大家さんは店舗のように利用されて不特定多数の人が訪れる状況は嫌がります。

変なことはしない方が良いので、ちゃんと相談し、聞かれた場合には事業形態などを正直に話しましょう。

大家さんからNGが出たら、レンタルオフィスを利用する手もあります。

バーチャルオフィス_レゾナンス

郵便物転送付きで月額1,650円で利用できる格安サービスです。
オフィス(本社所在地)は浜松町、銀座、渋谷、新宿から選べます。

自宅住所で登記すると何かと困る事も多いので、是非とも活用しましょう!

登記住所は、各種契約書などで記載する他、健康保険証にも記載されます

また、法人名義の銀行口座は、登記住所から一番近い支店でしか開設できないケースが多いです。

レンタルオフィスを契約して登記するのは真っ白な合法ですので、必要ならばこういったサービスも活用しましょう。

登記した住所は誰でも閲覧可能です。役所からの郵便はこの住所に届きますし、契約書に記載したり、保険証に記載されたりします。

OA機器の用意

OA機器は絶対にあった方が良いです。

会計ソフトなどは必須ですので、パソコンを買わない選択肢はないです。

ゲームでもしなければハイスペックは必要ありませんが、Microsoft Office の

  • Word
  • Excel
  • PowerPoint

の3点はあったほうが良いです。

会社員の方ならわかると思いますが、WordとExcelは必須です。

パワーポイントは必須でない場合もあると思います。パワポの有無で値段が変わりますので、事業で必要か否かはよく考えましょう。

えもんだ社長はパワポも購入し、ブログの簡単な画像を作るときに使っています。

  • プリンタ(複合機)

これもほぼ必須です。

特に、資料をスキャンしPDF化して保存できる機能は必須です!

役所でもらった書類をメールで送付することは多いので、PDFスキャン機能があるととても便利です。

最近の機器は2万円くらいで買えますので、必ず用意しましょう。

  • OAデスク、チェアーなど

これは必須ではありませんが、デスク回りの環境を整えるのはやっておいた方が良いです。

やはり、作業効率が変わってきますし、気分も良く幸せになれますw

えもんだ社長はかなりお金もかけてこだわりましたが、広いスペースの確保、良質キーボードの利用、OAチェアーに凝る、などは可能であればやっておきましょう。

パソコン(Word, Excel)と複合機は必須です。出費を覚悟しておきましょう。

会社設立後にやること

つづいては設立後にやることです。

会社設立後に必ず直面するタスクなので、心しておきましょうw

給料(役員報酬)の決定

まずは自分の給料(役員報酬)の決定です。法人設立から3ヶ月以内に届け出る必要があります。

「自分の給料決めていいの?やったぜ!!」

と思ったそこのあなた。そんなに甘くないですww

給料を決めたら、社会保険料が決まります。

参考:保険料額表(協会けんぽのサイト)

この社会保険料は、給料を決定したら必ず発生します!

会社に現金があろうがなかろうが請求されます。

自分(役員)の給料は、経費計上だけしておいて支払いは後回しにできます。(従業員の給料支払いを後回しにすると訴えられて負けるので、後回しに出来ませんw)

しかし、社会保険料の支払いは後回しに出来ません

ちなみに、毎月請求される(個人の所得税の)源泉徴収の納付も後回しには出来ません。(支払いされていなくても所得は発生している、という考えです)

※手続きをすれば特例で6ヶ月毎の納付にはできます。

とにもかくにも、現実的に会社の経営が傾かない金額にする必要があります。

いままで貰っていた給料のありがたみを学ぶタイミングですww

こういう時にもあらかじめ貯金しておけばかなり有利に運べます (*゚▽゚)ノ

給料を高くすると、社会保険料と所得税も高くなってしまいます。社会保険料と所得税の源泉徴収の支払いを遅らせることは(原則)できません。

社会保険手続

前項でも触れましたが、社会保険には手続きが必要です。

手続きをしていないと、お役所様(年金事務所)から電話がかかってきますw

督促に応じておとなしく支払えば大丈夫ですが、遅れると延滞金を請求されることになります。

口座振替ができると楽ですが、社会保険料は法人名義の口座でないと振替設定を受け付けてもらえません。

後述しますが、法人名義の口座開設は大変です。

ともあれ、年金事務所での手続きは必ず必要になります。

社会保険手続きは必須です。稼働が発生しますので考慮しておきましょう。

源泉徴収税納付

これも原則毎月必要です。

毎月10日までに国税庁に納付しに行く必要があります。

例外が2点あり、

  1. 社会保険料控除後の給与額が8万8,000円以下の場合は、源泉徴収なし(納付も不要)
  2. 給与を支給する人数が常時10名以下の法人なら、申請をすれば半年に1回の納付でよい(納期の特例)

があります。

大事なのは、給料を支払うと原則役所の手続きが必要になる、ということです。

会社勤めをしている時には、経理の人がやってくれていたと思います。

経理をやってくれる人を雇えるようになるまでは、社長が自分でやる必要があります。

源泉所得税の納付でも稼働が発生します。社会保険とは別の役所に行く必要がありますのでご注意ください。

銀行口座の開設

これもかなり大変です。

しかし、社会保険料の自動引き落としや、その他振込の際の利便性などで、あった方が断然便利です!

口座開設には、それぞれの金融機関で審査基準があるそうです。

えもんだ社長は1社目は断られて、2社目で開設できました。(金融機関名は伏せますw)

口座開設については各金融機関のサイトをご覧いただければと思いますが、近年はマネーロンダリングなどをする小規模企業が多いらしくて、まともな事業をしている者でも疑われてしまいます。

金融機関を選ぶ際には、やはり住んでいる場所の近くに支店やATMが多くある金融機関がいいでしょう。

金融機関を決めたら、電話などで問い合わせて必要なもの(登記簿など)を用意して申し込みましょう。

1年目(決算書がない状態)だと開設できないことも珍しくはありません。落ち込むことはないですw

銀行口座の開設には各種書類をそろえた上で審査があります。結構な重労働ですので覚悟しておきましょう。

税務について学習

これは相当重要です。

税務をちゃんとできるか否かで、支払う税金の金額がかなり違ってきます!

当然、貯金できる金額も全然違ってきます!!

詳細については専門のサイトに譲るとしますが、いくつか指針を上げると、

  • 会社の経費の基準は元々あいまいなルールしかない
  • 領収書の偽造などの明らかな犯罪は絶対NG!
  • まずは大きなところを経費計上するところから考える

です。

大きなところの経費計上では、まずは家賃が一番最初に上がります。

次は、(所持しているなら)自動車です。

わたくしは1年目は「これは経費化できるのか?」と思いネット検索を毎日のようにしましたw

自分のお金がかかってるたので、すごく勉強に力が入りました。

人生最高クラスの最大瞬間風速で学習できたと思っていますw

節税できるか否かで自由にできるお金の額がかなり変わります。ネットを使い倒せば大体の事はわかりますが、大きな稼働になることを忘れないでおきましょう。

経理

経理とは、請求や支払い業務、帳簿への記帳、伝票作成などの業務の総称ですが、これは会社の運営において必須です。

えもんだ社長は、訳あって20代前半で簿記3級をとりました。

その後も、経理について気になることが多かったので、本などで勉強しました。

おかげで、貸借対照表や会計の考え方を本格的に身につける必要があった時にも、割と簡単に身についたと思っています。

もし可能ならば、起業の前に会計の勉強をして、できれば簿記3級を取得しておいた方がいいと思います。

また、経理を知っていれば、資金繰り(財務)においても圧倒的に有利です

黒字なのに現金がなくなってる?

なんてことにはならないはずです。

経理業務は経営上必要な業務です。簿記の知識があれば有利に対応できます。

決算

決算とは、会社のお金の動きを決まった書式に記載し、国税局に提出することを言います。

会社を設立したら年1回以上やる必要があります。

もちろん、マイクロ法人も例外でばありません。

えもんだ社長の経験では、法人設立してから現在までで一番大変だったのが決算です。

決算書類は、普通の人間が理解できる日本語で書いてありません!

参考サイト:国税庁-令和3年4月以降に提供した法人税等各種別表関係(令和3年4月1日以後終了事業年度等又は連結事業年度等分)

えもんだ社長は自分でやってみて絶命しかけましたww

ただ、1年を通しての事業活動が良く見えて、何かと見直すキッカケになったのは事実です。

一番大変でしたが、一番学んだタスクだったのかもしれません。

本当に大変ですので、役所関連、会計関連の業務経験が無い方は、税理士の方に頼む(20万前後)か決算書ソフト(3万前後)を使うのがいいかと思います。

えもんだ社長は、3年目の決算では全力法人税という有料ソフトを使いました。

しかし、今思えば1年目から税理士の先生にお願いした方が良かったですw

【フリーランス向け】税理士活用で手取り10%増やす方法

決算は素人ではかなり難しいです。出費を覚悟する必要もあります。
税理士を活用した場合には、節税額>税理士顧問料となる場合も珍しくありませんので、まずは見積もりを取りメリットが見えたら積極活用しましょう。

まとめ-社長の業務

今回の記事は時系列でやることを書きましたが、大雑把に

  • 事業計画
  • 財務(キャッシュの確保)
  • 経理
  • 役所などの手続き

に分かれるかと思います。

書いてみてわかりましたが、事業計画と財務は自分でやる必要がありますが、経理や役所の手続きは人に任せることが可能です。アテがあるなら人に頼むのも良いかと思います。

この記事を書いてみて、経営において一番大事なのは、自分の会社で何をやるかを明確にすることだと改めて認識しました。

現在、そこまで大きな事業をできてるわけではありませんが、やはり多重下請けによるエンジニアの不幸は是正したいと思っています。

いつか、大きな事業で人の役に立てればと思ってます。

こちらの記事がお読みのあなたの参考になれば幸いです。

それでは (*゚▽゚)ノ

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