IT業界

【IT業界】正社員 VS フリーランス(その2)

このシリーズでは、正社員とフリーランスのそれぞれの良さと悪さを考察します。

【当シリーズ】

これまでのこのブログでは、(中小企業)正社員よりもフリーランスを押す記事をたくさん書いてまいりました。

しかし、冷静な分析はできていなかったかな、と思ったので、前回の記事で正社員の良し悪しについて書きました。

今回はフリーランスの良し悪しを書きます

フリーランスという雇用形態は、昨今話題になっているジョブ型雇用に通じるものがあると思っています。

そういった視点でも参考にしてもらえる記事だと自負してます。

それでは早速ご覧ください。

フリーランスの良いところ

前回と同じ形式で、まずは良いところから書きます。

給料が高い

たとえば、現在えもんだ社長が契約しているTechStockのサイトで「ネットワーク」という文言を入力すると下記リンク先の結果が出ます。

TechStock-検索結果

ネットワークではない仕事も出てきますが、100万円以上の案件もあります。

当然、年額だと1,200万円以上です。

これは現在の日本の給与水準を考えると相当高い方です。

フリーランス(または法人の一人社長)だと、この金額は年収ではなく「売上」という扱いになります。ちなみに、売上と給料は大体一緒くらいだと思ってもらって結構です。

ちなみに、東京都の平均年収は、

  • 30歳~34歳:508万円
  • 35歳~39歳:601万円
  • 40歳~44歳:667万円
  • 45歳~49歳:768万円
  • 50歳~54歳:818万円
  • 55歳~59歳:785万円

だそうです。

(参考サイト:https://heikinnenshu.jp/todofuken/tokyo.html

月額100万円は十分魅力的な金額です。

現場を選べる

これも強力な魅力ではないでしょうか。

エージェントに履歴書を送ったら、(大抵の場合は)スキルに合致した現場を複数紹介されます。

IT業界にはいろいろな業種のいろいろなポジションがあり、どの現場も大抵は人材不足です。

面接を受けるのも、その後に案件を断るのも(断られるのも)別段珍しいことではありませんので、気兼ねなく行えます。

ある程度のスキルさえあれば、現場を選ぶのは当たり前のことです。

また、大体の現場は3か月更新です。

よって、合わないと思った現場を変更するのはそこまでハードルは高くありません

現場を離任する場合には、「1ヶ月前までの告知」などの契約条項を守るよう心がけましょう!
「現場や世の中に貢献する」という考えはエンジニア人生でずっと役に立つ考え方です。志半ばで離任するときにも、現場に迷惑をかけないことを心がけると、きっとその後の案件参画にも生きてくるはずです。

もちろん、すぐに投げ出さずに任務を完遂するということはとても重要です。

フリーランスならうつ病になってまで続ける羽目にはなりにくいと思います。

節税対策ができる

これも長期的な視点では地味に効いてきます。

例えば

  • 一人法人
  • 家賃10万円のちょっと贅沢な物件に住んでいる
  • 給与額面50万円

の人が、

「全額給料で受け取り手取りから家賃を全額支払う場合」

「家賃の8割を経費計上した場合」

の違いは以下の通りです。

  • 全て給料でもらう場合

ここから家賃10万円を引きます。

  • 経費総額:553,700円
  • 家賃支払い後手残り:299,575円
  • 家賃の80%を経費にする場合

ここから家賃の社長負担分2万円を引くので、

  • 経費総額:549,034円
  • 家賃支払い後手残り:324,383円

と、経費総額が4千円程少なくて、手残りは2万5千円ほど多くなります

これは執筆時点(2021年07月)の東京都の場合です。社会保険料、雇用保険料、所得税、住民税などは、変更されることも珍しくないのでご注意ください。

実は、国税庁のホームページを見ると、「この額までは経費計上しても良いです」と記載があるのです。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2597.htm

国税庁指定の通りに経費計上すれば、上記の例より多くの額を経費計上できるケースも珍しくありません。

 

その他、書籍代や福利厚生費なども、一部は経費計上できます。

このような制度は国税庁のホームページなどで確認出来る限りは、一切遠慮せずに活用した方が良いです!

ご自身やご家族のために手元にお金を残すのはなんら恥ずべきことではありませんので、可能な限り制度を活用しましょう。

節税対策は素人には難しいです。税理士と顧問契約をすることによって、
節税額 >税理士顧問料
となることも珍しくありませんので、どんどん活用しましょう。

【フリーランス向け】税理士活用で手取り10%増やす方法

人との出会いが多い

フリーランスだと、割と頻繁に現場が変わります。

えもんだ社長のこれまでの経験では、長くても数年で短いと3か月ということもありました。

現場が変わるたびに、色々な人に出会います。

色々な経歴の若手、ベテラン、年上の初心者、年下のエキスパート・・・。

色々な人に会うのは結構面白いですw

意外と、年上の初心者の人のこれまでの経歴は、聞いてみると結構面白いですw

元自衛隊の潜水艦乗りなんて人もいましたww

とにかく、そんないろいろな人との出会いには事欠かないのがフリーランスです。

フリーランスの悪いところ

やはり、良いところがあれば悪いところもあります・・・。

この記事をお読みの皆様には必ず悪いところも考慮してもらいたいです。

いいところばっかり書いてオススメして、後で「これは聞いていなかった。わたしの人生どうしてくれるんだ!」などと言われたら、わたくしの良心が痛みます。

是非とも心して読んでください。

長い付き合いの人が出来にくい

前回の正社員のメリットでも少々触れましたが、やはりフリーランスになると長い付き合いの人が出来にくいです。

これまで、おそらく人様よりもたくさんの人に出会ってきたえもんだ社長ですが、、、

やっぱり、現場が変わるたびに人間関係はリセットされてしまいます。

仕事とか利害とかを全く関係せずに付き合える人間関係は、10代の頃に終わってしまってたのかもしれません。

ということで、フリーランスになってから仕事で会う人はビジネスライクになりがちです。

仕事上信頼してる立派な人でも、現場が変わると付き合いがほぼ0に、というケースもよくあります。

これを良いと思うか悪いと思うかは人それぞれですが、時々長い付き合いのある人たちをうらやましく思ったりもします。

また、これも前回の記事で少々話しましたが、変な投資話を持ってくる人は大抵フリーランスですww

そういう意味でも、フリーランスは(正社員と違った意味で)人付き合いに注意する必要があると思います。

給料が安定しない

これは結構シビアな問題です。

いつでも現場を変更できるというのはメリットですが、デメリットも抱えています。

雇っている方はいつでもクビにできるというデメリットです。

いつでもクビにできるから、雇っている間は高い給料を払える、という面もあります・・・。

つまりは、きちんと現場に貢献する能力が必要です。

ITスキルだけではなく、会社に貢献する姿勢や、協調性や、いわゆるコミュニケーション能力も必要です。

 

要するに「現場に必要な人材」「仕事で役に立つ人材」になれれば、仕事面・収入面でかなり有利になり、色々な現場から引く手あまたです。

しかし、現場に契約終了を言い渡されることは常に覚悟しておく必要があります

ちなみに、現場で大活躍をしていても、経営陣が「外注を利用しない」という決定をしたら、あっさり契約終了になります。

やはり会社組織はピラミッド構造ですので、

経営陣 > 現場

という力学は覆りません・・・。

2022年現在では、エンジニアは人手不足の売り手市場なので、勤務先はいくらでもある状況です。

しかし、不景気というのはいつ来るかわからないモノです。

この点は常に意識しておく必要があります。

福利厚生は原則貰えない

フリーランスには、正社員なら貰える福利厚生は一切貰えません。

ボーナスはもちろん、家賃手当、退職金、健康診断費用、スポーツジムや旅行代理店の割引などは貰えません。

更には、大抵の場合は交通費は貰えません・・・。

その他、正社員なら資格手当や資格取得のための研修を受けられる場合も多いと思いますが、フリーランスでそのようなモノを頂けるという話は聞いたことがありません。

また、失業保険も原則対象外です。(iDecoや小規模企業共済など、失業保険と似た制度で備えることはできます)

スポーツジムの割引くらいなら仕方ないと思えますが、交通費や退職金や失業保険はサラリーマンとの差が大きいと言えるでしょう。

主体的な人生設計が必須

結局のところ、フリーランスは会社や労働法に守ってもらえない立場です。

よって、主体的に考えて行動する必要があります。

  • クビになる可能性がある → 現場でクビにならないように振る舞う、クビになってもすぐに再就職できるような経歴を作っていく。
  • 給料が安定しない → 貯蓄を多めにする、給料が上がってもすぐには生活のレベルを上げない。
  • 福利厚生が貰えない → 投資などを自分で学び、老後資金その他を自分で用意する。

このような工夫が必要になります。

また、節税や税務申告について自分で対処する場合もあります。

※年収500万円以上であれば、税理士を活用した方が手残りが増えるケースも多いです。詳細は以下記事をご覧ください。

【フリーランス向け】税理士活用で手取り10%増やす方法

また、今後エンジニア需要はどうなるのか?も考えておいた方が良いです。

仮に需要が先細りしたら、単価の相場も下がっていくことになります。

個人的にはエンジニア需要は増える一方だと思っています。しかし、リスクの一つとして考慮するのは大切です。

 

やはり、キーワードは「主体的に考え、行動する」です。

まとめ

この記事を書いてみてわかりましたが、正社員とフリーランスの給料の差は、会社がいろいろやってくれるか否かの差なのかと思いました。

正社員はパック旅行で、フリーランスは自由旅行です。

自由旅行はあれこれ自分でする必要はありますが、色々な手配をちゃんとやれば出費は安くなり、手残りが大きくなります。

 

えもんだ社長は、何でも自分でやりたがる性格で、人にあれこれやってもらいたいとはあまり思わない性格ですw

今思えば、子供のころからそういう(可愛げのない)ヤツでしたww

当然、自由旅行派です。

 

パック旅行と自由旅行は好みの問題です。

しかし、勤務先がジョブ型雇用を採用したとき、好みだけの問題では済まなくなります。

ちなみに、世の中には「メンバーシップ型雇用は古い。これからはすべての企業がジョブ型雇用に移っていく」という論調がありますが、わたくしはこれには懐疑的です。

というのも、ジョブ型雇用には構造的な弱点があり、日本企業が利益の最大化を目指した場合に最善策ではないと思うからです。(ちょっと大きな話になるので、いつか出来たら記事にします)

 

この記事がお読みの皆様の人生設計のお役に立てれば幸いです。

 

それでは (*゚▽゚)ノ

 

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